実は追憶という言葉の意味は 漠然としていてよくわからない。 でもきっと懐かしい記憶を たどる時間をゆらゆらと過ごすことみたいな。
そんなお気に入りだったバーに来てみた。 お気に入りだった、というのは もう何年も来ていないから。 バーテンさんの鮮やかな手際に惚れ惚れしながら 甘くないカクテルを飲んでみる。 桜貝のように薄い口当たりのグラス 夕焼けのような淡い茜色のカクテル。
ここに一人で来るときは だいたいいつも同じような心境のとき 北風と仲のいいマフラーを巻いて 枯葉の道をひた走りたどり着く場所
懐かしい音楽が 氷の崩れる音と一緒になって 僕の、僕の。 とてもデリケートなところに届く。
by uzumaki_style
| 2017-01-13 23:06
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